仏1部グルノーブルに日本代表MF・松井が移籍、親会社インデックス再建の切り札となれるか
親会社にとっても強力な補強となるか--。インデックス・ホールディングス傘下のサッカー・フランス1部リーグの「グルノーブルフット38」は、日本代表MFの松井大輔選手(28歳)の新加入を発表した。
松井選手は鹿児島実業卒業後、京都パープルサンガを経て、04年に渡仏。ル・マンで活躍した後、昨年、古豪ASサンテティエンヌに移籍した。しかし、出番に恵まれずチームもまさかの降格争いに巻き込まれるなど、不本意な1年を過ごす結果となっていた。日本は10年のワールドカップ出場を決め、選手にとってはこれから本選出場を賭けた生き残り競争の始まり。「試合への出場機会を求めて移籍を決めた」(松井選手)。
一方、インデックスHLDにとっても松井選手にかける期待は大きい。
04年に当時2部だったグルノーブルを買収してスポーツビジネスに進出したインデックスHLDだが、現地のマネジメントに苦戦し、1部昇格を果たしたのは昨期のこと。さらに、昇格した昨期はスタジアムへの大型投資なども負担となり厳しい経営状態が続いていた。多角化の失敗によるインデックス本体の経営危機もあり、たびたび売却のウワサがささやかれ、とりわけ昨秋の金融危機以降、借入金の返済圧力が強まる中で、一時はほぼ売却は決定的とも見られていた。
が、虎の子の日活や数多くの子会社を手放すなど、大幅なリストラを断行してなんとか一息ついた状態のインデックスHLD。渡辺和俊取締役(グルノーブル会長)は「松井選手獲得を機に、日本でもグルノーブルの市場価値を高めて行きたい」と語る。日本でのテレビ放映権の販売や、本業の携帯・インターネットコンテンツとしての活用を本格的に進め、収益化につなげたい考えだ。
「1部リーグでの売り上げはほぼ見えており、その予算の枠内で補強している。松井選手の獲得が収支を圧迫することない。昨年のような大型の設備投資もなく、今期は収支トントンで運営できる」と渡辺取締役は説明する。
日本市場でフランスリーグの中堅クラブを売り込むのは容易ではないだろう。しかし、ワールドカップ本選が近づくこれからの時期は、代表選手海外組への注目度がもっとも高まるタイミングだ。松井選手が、リーグで活躍、日本代表でもレギュラーに定着することができれば、グルノーブルの商品価値も高まることになる。インデックスのサッカー事業再建は、松井選手の活躍にかかっていると言っても過言ではないだろう。
(写真)右から、渡辺和俊取締役、松井大輔選手、祖母井秀隆・グルノーブルゼネラルディレクター
(丸山 尚文)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.08 123,535 2,142 -11,066 -30,177
連本2009.08予 79,000 2,500 -5,000 -9,000
連本2010.08予 60,000 3,000 2,000 1,000
連中2009.02 43,472 1,240 -4,921 -8,105
連中2010.02予 29,000 1,400 1,000 500
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.08 -13459 0
連本2009.08予 -2575 0
連本2010.08予 286.1 0
連中2009.02 -3484 0
連中2010.02予 143.1 0
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