戦争は向こう1週間の勝負、解散断行なら麻生首相、阻止なら「降ろし」派の勝利

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戦争は向こう1週間の勝負、解散断行なら麻生首相、阻止なら「降ろし」派の勝利

塩田潮

 ついに自民党内で麻生首相と「麻生降ろし」派の戦争が火を噴いた。
 麻生首相は昨日の会見で解散は「そう遠くない日に」「私が決める」「地方選は影響しない」と語り、総裁選は「むしろマイナス」、内閣改造も「思っていない」と否定した。天皇外遊前の7月2日までの解散、8月上旬の総選挙を決意しているかのような口振りだ。
 いまから振り返ると、鳩山前総務相更迭も早期解散の布石だったと映る。最大派閥の町村派の離反を防いで解散断行のための党内基盤を固めておくのが狙いだったのだろう。

 一方、「降ろし」派は「やぶれかぶれ解散」阻止のために、「殿、ご乱心」と後ろから羽交い締めにして座敷牢に閉じ込める算段だ。
 手立ては総裁選前倒し(9月25日総裁任期満了)で、「7月20日前後に実施・国会会期末の28日までに新首相指名」という案や「総裁交代・総選挙までの麻生首相在任」という総総分離案もささやかれている。
 この戦争は向こう1週間の勝負で、解散断行なら麻生首相、阻止なら「降ろし」派の勝ちである。

 どっちに転んでも、総選挙では苦戦必至の「落ち目の自民党」だが、風雲急を告げる情勢を見て、東国原宮崎県知事や橋下大阪府知事、中田横浜市長らも動き始めた。実際は同床異夢の感もあるが、もともと「将来は国政」という野望を抱く首長たちだ。「決起」は分権推進のために地方の側から政党に注文をつけようといった程度の話ではないだろう。永田町の政党の枠組みを超えた新勢力結集が狙いではないか。
 橋下知事らは分権改革の千載一遇の好機ととらえて参戦の構えだが、次期総選挙は中央政界の与野党の政権争奪という戦いにとどまらず、国を挙げての総力戦の様相となってきた。自民党は「うまくいけば応援団に」と算盤を弾いているが、地殻変動のうねりは自民党の想像を超える大きさとなりつつある。尻に火がついた自民党はその点を正確に認識する余裕もなさそうだ。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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