論語からケインズまで--「古典」が今おもしろい!

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 社会は何を失ったのか--。今多くの人がその解を古典に求めている。西洋思想の古典を数多く手掛ける翻訳家の中山元氏は言う。「ルソーにしろ、スミスにしろ、彼らの問題意識は資本主義の根っこにつながる。糸のほつれた分岐点を見つければ、社会が駄目になった理由がわかるはずだ」。

高橋伸彰・立命館大学教授は、マルクス『資本論』とケインズ『一般理論』、シュンペーターの『経済発展の理論』を3冊セットで読むことを薦める。「経済学は本来、人間が幸せに生きるにはどうしたらよいかを探る学問。それを再考するうえで3冊の古典は重要なヒントを含んでいる」(同氏)。危機後の世界を古典から探る作業が求められている。

週刊東洋経済6月27日号の特集では、初心者のための誌上講義から古典の読み方まで、多面的に探った。また、第一線で活躍するエコノミストや学者、評論家など67人にアンケートを実施。それを基に今読むべき古典を厳選した。図に挙げた9冊は、特に本誌が薦める古典だ(詳細は週刊東洋経済6月27日号の特集参照)。

古典には先達が磨き上げた智慧が詰まっている。週刊東洋経済の特集で上げた古典は、東西の政治・経済から、思想・哲学・文芸まで171冊。その読み方に正解はないが、まずは手に取っていただきたい。今を読み解くヒントが必ず隠されているはずだ。

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