ルックの今09年12月期は収支均衡厳しいが、来期以降の改善目指す
アパレル中堅のルックの今2009年12月期は前期に続き赤字となる可能性が高そうだ。
ルックでは、前08年12月期までに人員削減など大規模な構造改革を実施し、今期は営業利益ベースで収支均衡を目指す、という会社計画だ。だが、昨秋以降の未曾有の金融不況の余波で、今期前半は思わぬ苦戦を強いられた。ルックでは、09年1~3月期決算発表時に、上期(1~6月期)の業績見通しを、従来の営業損益ゼロから7億円の営業赤字に引き下げた。通期の計画は変えていないが、通期で営業損益トントンという目標達成は現時点でかなり厳しい。「東洋経済オンライン」では、通期でも赤字が残る可能性が高いとみて、下表のように予想する。
もちろん、ルックでは下期の巻き返しに向けて懸命の模索を続けている。このほど行われた秋冬物の展示会もその1つ。例えば、百貨店ブランドの1つでベルギーのライセンスブランド「SCAPA」(スキャパ、写真)では、「昨年よりも布地のレベルを一段向上させる一方、価格帯も中心は変えずに下の価格帯の商品を増やした」(澁谷治男・企画室商品企画2課長兼SCAPAマーチャンダイザー)。百貨店不況がいわれるが、ヨーロピアンスタイルの同ブランドの落ち込みは最小限だという。ユーロ安を利用した素材の改善に加え、入門価格帯の商品も充実し、新規顧客も開拓する構えだ。
また、中期的な視点で見ると、同社は百貨店取引を保持しながらも、徐々に百貨店以外の販路も拡充する方針だ。前08年12月期は売上高の約3分の2が百貨店向けだったが、今期は百貨店比率が約60%強、来10年12月期には約50%程度になる見通しだ。駅ビルや直営で出店しているフィンランドの雑貨を中心としたブランド「マリメッコ」などが着実に育っており、こうした取り組みの成果が今後の注目点となるだろう。
(福井 純)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.12 38,197 -967 -1,152 -2,397
連本2009.12予 30,500 -700 -700 -700
連本2010.12予 30,000 -300 -300 -300
連中2008.06 19,409 -122 -65 41
連中2009.06予 15,500 -700 -600 -600
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.12 -69.7 0
連本2009.12予 -20.4 0
連本2010.12予 -8.8 0
連中2008.06 1.2 0
連中2009.06予 -17.5 0
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