週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

株価反転には「米ドル下げ止まり」が必要だ 飽きられ始めている黒田日銀総裁の「芸風」

5分で読める
  • 馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト
2/3 PAGES
3/3 PAGES

また、日本企業は自社の収益見通しについて保守的なため、まず下方修正が野獣のように先行して、上方修正は遅れ遅れて淑女のように訪れる傾向が強い。原油価格も楽観はできないが、1バレル30ドル台前半で安定してきたようにも思われる。

為替市場においては、米ドル円相場を見ていると1月の全面的な円高(どの通貨に対しても円高になる)がまだ持続しているように感じられる。ところが実は、たとえばユーロは日銀のマイナス金利導入前の水準を対円で割り込んでおらず、新興諸国通貨なども相対的に底固い。すなわち、円高ではなく米ドルの独歩安であり、これが先週、国内株価の押し下げに大きく働いたと推察される。このため、米ドルが下げ止まれば、国内株価持ち直しの機運が広がってもおかしくない。

米ドル安が大きく進行する環境にはない

この米ドル安をもたらした要因としては、先週発表の1月のISM非製造業指数が弱かったなどにより、連銀の利上げ回数がかなり少なくなる(場合によっては、今年は利上げが行われない)という観測が広がり、米金利の先高観が払しょくされたことが大きいだろう。

とは言っても、一部の面白おかしく騒ぐ向きの説を別とすれば、連銀がゼロ金利に戻るとか、QE4(量的緩和第4弾)を行なう、というわけではない。米国の経済実態についても、2月5日(金)発表の1月雇用統計は、非農業部門雇用者数前月比は15.1万人にとどまり、12月の26.2万人(修正後)から減速した。ただし12月の「出来過ぎ」からの反動という面もあり、また失業率は前月の5.0%から4.9%に低下している。時間当たり賃金の伸びも堅調で、米経済の腰はしっかりしている。

日本が金融引き締めを行なうわけでもなく、日米金利差が当初想定ほどは広がらない、ということではあっても、金利差が縮み続けていくような展開ではない。米ドルは早晩底入れ反発すると見込まれる。

国内株価は、週明け当初は先週末の米株安を受けて下振れして始まろうが、米ドル安・円高の進展に歯止めがかかることで、売られ過ぎから適正水準への回帰を再開しよう。そうした流れの中で、今週(2月8日~12日)の日経平均株価は、1万6400円~1万7100円を予想する。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象