増加する「路上寝込み事故」、運転手の責任は 刑事責任を問われる場合、問われない場合
一方で、有罪になった判例はどんなケースだろう。
「罪に問われたドライバーは被害者をひいてしまったが、その後、同じ現場を走行した数台の後続車は、前と同じ状態の被害者を避けていたというケースがありました。
こちらについて、裁判所は、先行車のドライバーに『予見可能性があった』として、過失を認め、自動車運転過失致死(当時は業務上過失致死)罪が成立するとしました。
いずれにしろ、道路の状況や他の運転者の状況など、さまざまな事情を考慮して判断されます」
具体的な事情によって「過失割合」は変わる
では、民事責任はどうなるのだろうか。
「刑事責任と同じように民事でも、ドライバーは過失が認められると、民法709条(不法行為)もしくは自賠法3条にもとづく損害賠償を請求される可能性があります。
ただし、交通事故では、被害者にも落ち度がある場合が少なくないので、損害賠償額の算定にあたっては、被害者と加害者の落ち度の割合が考慮されます。
交通事故の場合、被害者と加害者の落ち度の割合は、昼間の場合が基本『3:7』(被害者が3割、加害者が7割)、夜間の場合が基本『5:5』(被害者が5割、加害者が5割)とされます。これを過失割合といいます。たとえば、被害者に1000万円の損害が認められるとしても、被害者の過失割合が3割とされると、慰謝料は700万円に減ってしまうということです。
ただ、被害者の過失が『基本』3割や5割といいましたが、実際の過失割合は、この『基本』を前提として、具体的な事情によって修正が加えられます。周囲が明るく被害者を発見しやすかったとか、幹線道路でまさか被害者が寝ているとは考えにくい道路であるとか・・・具体的な事情で、具体的な過失割合は変わります」
山田弁護士はこのように述べていた。
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