三菱重工が今期業績予想を下方修正 客船事業損失拡大で最終減益に
[東京 4日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>は4日、2016年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。売上高、営業利益いずれも従来予想を引き下げ、純利益は増益予想から一転、減益となる見込み。
大型客船の建造遅延に伴う特別損失が膨らんだことが響く。
通期純利益予想は前期比18.5%減の900億円に引き下げた。従来は同17.7%増の1300億円を見込んでいた。トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト18人の純利益の予測平均値は1449億円で、会社側の修正予想はこれを下回る。
客船事業をめぐっては、11年11月に受注した大型客船の建造プロジェクトが難航。15年10―12月期に同事業関連損失として追加計上した特別損失は221億円で、4―12月期では530億円となった。これまでの累計では1872億円に上る。
会見した宮永俊一社長は、大型客船事業について「十分な実力の見極めが不足していた」と反省し、「対策にはめどがつきつつある」と説明。度々延期している引き渡し時期は、1隻目が今年2月ごろ、2隻目が16年度中との見通しを示した。また、「まだ予断を許さない」とつつも、損失を最小限に抑え「予算内でやっていきたい」と述べた。
今期の売上高予想は4兆1000億円と従来の4兆2000億円から引き下げた。交通・輸送部門で納期のずれが発生して減少するため。営業利益予想は3000億円と従来の3200億円から減額した。姫路第2火力発電所関連の不具合対策費用の増加が響く。
一方、宮永社長は記者団に対し、仏原子力大手アレバの子会社で原子炉設計などを手掛けるアレバNPへの出資に関する仏政府などとの協議について、当初は2月にまとまる見込みだったが、「春にずれ込む感じがするが、夏にはかからないのではないか」と語った。
(白木真紀)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら