技術展で垣間見えた「国内鉄道業界」の実態 鉄道輸出「オール日本」はかけ声だけか?
11月11~18日の3日間、幕張メッセで国内最大規模の鉄道技術見本市「第4回鉄道技術展」が行われた。来場者数は前回を1万人近く上回る2万8507人。出展社数も400を超え、いずれも過去最高を記録した。
主催者であるフジサンケイ・ビジネスアイ(日本工業新聞社)の担当者も、「ホール数を前回より一つ増やしたが、それでも足りないくらい。ゼロから始まった技術展ですが、ようやく一定の認知度を得られるようになったと考えている」と手応えを口にする。
しかし、技術展をつぶさに見て回ると、単に手放しで“成功”と喜べない部分も目につく。その一つは、鉄道事業者や大手車両メーカーの不参加が目立つ点だ。
肝心なJRは存在感なし
鉄道事業者では東京メトロが出展して賑わいを見せていた。一方でJR各社は出展してないか、または出展社リストには名を連ねているものの、会場内にはブースが見当たらなかったといった状況だ。
そもそも不参加の鉄道事業者も多い。さらに車両メーカーでは近畿車輛やJ-TREC(総合車両所)、三菱重工業などの姿はあったが、日立製作所や日本車輌製造などは出展を見合わせている。
そもそも、鉄道技術展の狙いの一つは“日本の鉄道技術の海外輸出”にある。特に今回は鉄道技術国際シンポジウム「STECH」が同時期に開催されたこともあり、諸外国からも多くの鉄道関係者が技術展を訪れた。まさに日本の鉄道技術の優位点を世界にアピールするには格好のチャンスだったはずだ。
安倍政権は“オールジャパン”を標榜して日本の鉄道技術の海外輸出に積極的な姿勢を見せる。中国との受注競争に敗れたインドネシア高速鉄道計画に対しても、インドネシア政府に対して安倍首相自ら“失望”を表明するほどの重要案件と捉えている。
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