「ビッグ3」も名ばかり、激変の鉄道車両市場 アルストムとシーメンスが陥落、日本勢は見る影なし

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「ビッグ3」の一角だったアルストム(写真)はトップ3から陥落した(写真:Abaca/アフロ)

三菱重工業と独シーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が争奪戦を繰り広げたフランスの重工メーカー、アルストム。鉄道車両業界では、同社にシーメンス、ボンバルディア(カナダ)を加えた3社が「ビッグ3」と呼ばれてきた。

その理由はもちろん、この3社が世界の鉄道市場をリードしてきたからなのだが、最近は事情が変わってきたようだ。

ドイツの鉄道コンサルティング会社、SCIフェアケールが5月に発表した調査結果によると、2012年度の鉄道車両製造の売上高ランキング(部品製造や保守サービスを除く)では、中国北車集団、中国南車集団という中国勢が1位、2位を占めた。3位にランクインしたのはボンバルディアで、アルストムは4位。シーメンスは7位という結果だった。

「数年前まではビッグ3といえば売上高トップ3という意味だったが、この何年かは慣例的にビッグ3と呼んでいるにすぎない」(鉄道メーカー幹部)

中国勢がじわり台頭

中国勢は2008年度頃からランキング上位に顔を出すようになった。2009年度には1位ボンバルディア、2位アルストム、3位中国南車、4位中国北車、5位シーメンスだったが、翌2010年度には1位中国南車、2位ボンバルディア、3位中国北車、4位アルストム、5位シーメンスとなり、トップ3のうちの2社を中国勢が占めた。2012年度はその傾向にさらに拍車がかかった。

中国北車は政府系の鉄道車両メーカー。ディーゼル機関車から通勤車両まで、あらゆる種類の車両を製造している。傘下の長春軌道がアルストムと組んで高速車両を開発している。

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