「30年で4000万円」を達成するシンプルな方法 毎月の予算や目標を決め、節約疲れを防ごう

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まず、自助努力で4000万円を作るためには、毎月いくら積み立てていく必要があるのかを考えてみましょう。

とはいえ、ご存じのように、1月29日には日銀がマイナス金利の導入を決定しました。現時点で預貯金金利までマイナスにはなっていませんが、それでも1年もの定期預金の利率は年0.025%程度。10年ものでも年0.085%にしか過ぎません。これだけ利率が低いと、預貯金の利率でおカネを殖やすのは、ほぼ不可能といってもいいでしょう。多少のリスクを取ってでも、リターンの見込める投資信託などで運用する必要があります。

もし、今の年齢が30歳だとしたら、60歳で迎える定年までの時間は30年あります。30年間で4000万円をつくるためには毎月、いくら積み立てていけばいいのでしょうか。その際の想定利回りを、たとえば年3%とすると、月々の積立金額は6万8000円になります。年3%の想定利回りが高いのか、それとも低いのかという点は議論の余地がありますが、世界経済の成長率がおおむね3%程度であることを考えると、年平均3%の運用利回りは、実現不可能な数字ではないと思います。

平均値を超えている支出項目が節約のターゲット

ここで、いよいよ予算の策定になります。毎月6万8000円を積立投資に回せるようにするには、月々いくらで生活しなければならないのでしょうか。一般的には、30歳で年収400万円。そこから税金などを差し引いた手取り額が360万円程度。これを月収ベースに換算すると30万円です。次に、食費や被服費、交通費、通信費など、諸経費がいくらかかるのかを見ていきましょう。といっても、隣近所の人に家計の内情を聞くわけにはいきませんから、別の方法を考えます。

たとえば、マネーフォワードの家計簿アプリには、手取りの月収を入力すると、同じようなユーザーの平均値を自動的に計算してくれる機能が搭載されています。その平均値と、実際に自分が月々支払っている金額を比較し、平均値をオーバーしている支出項目については節約すると同時に、より低く抑えられそうな支出項目を見つけて、さらに支出額を抑えるようにすれば、月々の貯蓄目標額達成が、ぐっと近づいてくるはずです。

ちなみにこの機能を使って、30歳、子供1人、都内の賃貸住まいで月収が手取り30万円という諸条件を入力し、支出の平均値を求めると、26万6859円になりました。平均で毎月約3万3000円程度の余裕資金ができるので、それは積み立てに回せるわけですが、もし30年間で4000万円を作ろうと思ったら、さらに3万5000円を節約し積み立てに回す必要があります。

確かに、毎月3万5000円を節約するのは大変なことですが、このように目標値が見えれば、やみくもに節約するよりも、実現可能性は高まるはずです。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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