マイクロソフトが海底に狙いを定めたワケ 「海中データセンター」は無謀な挑戦ではない
冒険小説『海底二万里』にヒントを得たのか、マイクロソフトの研究者たちは、データセンターの未来を海底に見出しているようだ。同社は、発電機能を備えた海中データセンターのプロトタイプの試運転を行っているのだ。
海が選ばれた理由は、データセンターを運営する企業がどこも抱える大きな問題を取り除くため。すなわち莫大な冷却コストだ。
動画のストリーミング配信、ソーシャルメディア、メール……。データセンターは、現代人に不可欠のサービスを可能にする、無数のサーバーやネットワーク機器を設置している。問題は、これらの機器が熱を放出することで、その熱がこもると、サーバーは熱暴走などの障害を起こす。
海底に設置することのメリット
データセンターを冷たい海底に設置すれば、この問題をクリアできるのではないか。それに必要電力の高まりという問題にも対処できるかもしれない。マイクロソフトは、海中データセンターに、タービン発電機か潮力発電システムを搭載することを考えているのだ。
マイクロソフトは、この海中プロジェクトに「プロジェクト・ナティック」と名付けて、研究を行ってきた。最終的には、大型の鋼管をぶつ切りにしたような形のコンテナをいくつも沈めて、海底ケーブルで結ぶ形になるかもしれない。あるいは豆型のコンテナを海面近くに浮遊させて、潮流発電を可能にするタイプになる可能性もある。