清水建設が社長交代、「次は大林組?」の声 知られざるトップ同士の個人的関係と"縁"

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井上次期社長は「宮本社長の経営路線を引き継ぎ、さらに深化させていきたい。建設事業を万全のものにしていくと同時に、新たな第2、第3の経営の柱を作りあげていきたい」としている。具体的には建設だけでなく、その後の運営・管理などインフラ事業などを挙げている。

建設業界を取り巻く環境は良好で「2018年から2019年がピーク。この間、必要な人材を必要な場所へ振り向けるように、施工体制を見直していく」(井上次期社長)という。

ただ、業界が抱えている問題は多い。技能労働者の不足とその確保、それに伴う賃金上昇、下請けの重層構造の改革という課題もある。さらに杭打ち問題で明らかになったデータ記録を含めた現場管理のあり方など山積している。

そうした中で業界のリーディングカンパニーとして「さまざまな人の声を聞きながら、一つ一つ解決していきたい」(井上次期社長)。現場の施工効率化についしてはICT(情報通信技術)を最大のツールとして取り入れ、活用していきたいとしながらも「それに人間が使われないように、『モノづくりの心』の教育も大切にしたい」(井上次期社長)という。

大林組の社長交代に注目が集まる

スーパーゼネコン上場4社の社長交代は、昨年の大成建設の村田誉之社長、鹿島の押味至一社長、そして今回の清水建設社長交代と続いた。そこで「次は大林組」と注目度が高まっている。

大林組の白石達社長の去就についても注目度が高まっている(撮影:梅谷秀司)

というのも、大林組の白石達社長と清水建設の宮本洋一社長は、1947年生まれ、今年69歳。東京大学工学部建築学科で、内田祥哉(よしちか、日本建築学会会長など歴任、建築界の大御所)研究室の同期だ。ちなみに大成建設の山内会長、村田社長も東大の同じ研究室。白石社長と宮本社長は、社長に就任した時期も2007年と一緒で、「退任、社長交代も一緒では」と言われているからだ。

大林組の社内から次期社長の下馬評は上がっていない。杉山直副社長、岸田誠専務など有力とみられるが、今年については「白石続投」の可能性が高いという声も。清水建設の社長交代のように、次期社長ふさわしい人物の存在と年齢を含めたバトンタッチのタイミングが最大のポイントといえそうだ。

木村 秀哉 東洋経済 記者

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きむら ひでや / Hideya Kimura

『週刊東洋経済』副編集長、『山一証券破綻臨時増刊号』編集長、『月刊金融ビジネス』編集長、『業界地図』編集長、『生保・損保特集号』編集長。『週刊東洋経済』編集委員などを経て、現在、企業情報部編集委員

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