現金下取りセールが好調、ヨーカ堂が作り出した「買うきっかけ」

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 消費者はタンス在庫を多く抱える。下取りは、消費者に買うきっかけを与えたのだ。中には買い替えを促した商品もあり、第4弾でフライパンを下取り対象に加えたところ、同商品の売上高が約6割も伸びた。

もう一つのポイントは、クーポンなどではなく「現金」で下取りを行ったことだ。ヨーカ堂では下取りの際、現金を「大入り袋」に入れて手渡す。クーポンはその店でしか使えないが、現金ならばその使い道は完全に消費者側。そこまで消費者に委ねて初めてきっかけ作りができる。

回収した衣料品は断熱材やクッションのスポンジに、プラスチック商品はチップ状に粉砕し再利用される。一部廃棄品もあるが、新品同様の衣料はNPO法人を通じて途上国支援に回される。従来から取引のある業者に委託しており、下取りが100万点に及んだ第6弾での回収コストも1000万円以下に抑えた。

下取りにより客数が増加、食品の売り上げも伸びた。同社の既存店売上高は苦戦が続いていたが、3月には並行したキャッシュバックセールの後押しもあり、2%増に浮上した。

客からは下取りカウンター常設の要望すら持ち上がっている。顧客心理を巧みに突いた下取りセールの好調は、もうしばらく続きそうだ。

■業績・事業概要など企業データの詳細はこちら

(週刊東洋経済)

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