オリエンタルランドの今期は25周年の反動減で減収減益、来期にかけて入園者数伸び悩みも

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オリエンタルランドの今期は25周年の反動減で減収減益、来期にかけて入園者数伸び悩みも

オリエンタルランドの今2010年3月期は、前期の反動で減収、営業減益となりそうだ。

前2009年3月期は、開業25周年効果で入園者数が前期比7.1%増の2722万人に達し、売上高、営業利益、経常利益とも過去最高を更新した。当初は「東京ディズニーランドホテル」と「シルク・ドゥ・ソレイユ」専用シアター開業費で減益を見込んでいたが、周年効果が予想を大きく上回った。リテール事業に関する特損を計上したものの、最終利益も増加。配当性向35%を掲げており、10円増配した。

ただ、絶大な25周年効果の結果、今10年3月期のハードルが高くなった。反動減で今期入園者数は2560万人を前提とする。商品販売を中心に、1人当たりの単価も前期比2.8%減となる見込み。減価償却費は約20億円減り、ホテル等の開業費用がなくなるが、減収減益となると会社では見込んでいる。特損がなくなるため最終利益は増益となり、前期に続いて10円増配を予定する。

4月に開業した新アトラクション「モンスターズ・インク”ライド&ゴーシーク!”」に続き、10月にはディズニーシーに「タートル・トーク」開業も控えている。同社はもともと保守的な業績予想が多いが、足元は5月連休中の悪天候等で「想定を下回っている」(オリエンタルランド)こともあり、「東洋経済オンライン」の今期予想も会社計画に合わせる。

景気動向や過去の周年行事後の動向を見ると、今期から来期にかけては入園者数が伸び悩む可能性がある。「東経オンライン」の来11年3月期予想は、それを前提としているが、償却費減により増益基調に戻る見通しだ。2012年3月期のディズニーシー開業10周年に向けて、今後どこまで入園者数を維持できるかがポイントになる。
(並木 厚憲)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2009.03  389,242 40,096 38,824 18,089
連本2010.03予 370,000 34,100 32,650 20,700
連本2011.03予 368,000 35,500 34,500 21,800
連中2008.09  181,077 16,362 15,884 8,806
連中2009.09予 179,300 14,200 13,600 9,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2009.03  196.8 70 
連本2010.03予 227.7 80 
連本2011.03予 239.8 80-85 
連中2008.09  94.8 30 
連中2009.09予 99.0 40 

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