妻はモラハラ夫にどこまで耐えるべきか 過度な従順は相手を増長させる

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初瀬様、何か大きな災害や事故に遭った被害者は決まって、「普段の平凡な幸せが一番だということに気づかされた」と、口をそろえられます。このようになくさないと気づかない大切なものは、世に多いものです。しかしなくす前からそれらを持たない、たとえば平穏な家庭にある平凡な幸せを知らない夫婦も、同じ意味で不幸です。

先の私の3人の友人の例ですが、結婚生活がもうどうなっても良いと思って、言いたいことを全部ぶち明けたそうです。自分がいかに我慢してきたか、これ以上は耐えるつもりがないことなどを、ある友はオンオンと泣きながら。

意外でしたがその時から、夫たちの態度が激変しています。まずお料理のことで文句を言わなくなった、そして不機嫌な顔で帰宅しないよう努力するようになった、妻の大切な人たちの悪口を言わなくなったなど。

お一人はその場ではさらに激昂したり無視されることが続き、収拾がつかなかったそうですが、そして今もときどきイエローカードの時もあるそうですが、その後の家庭の雰囲気はガラリと変わったそうです。まさに雨降って地固まるでしょうか。何よりも夫婦ゲンカができるようになっただけでも、風通しがよくなったそうですよ。

「人生の大切なもの」をなくす前にすべきこと

多くは時が解決し、暴君も年齢と共に性格が丸くなる人は多いものです。しかし人生は、ゴール良ければすべて良しというものではありません。そのプロセスこそが、掛け替えのない人生そのものです。

ご夫君の性格にもよりますし、すべて私の友人たちのように、体当たりすれば道は開けるとは申しませんが、一度は「表向き」従順な家僕か離婚以外の「積極的な人生のプロセス」も、選択肢に入れるべきです。

彼は大切なお子様の父親でもあります。彼にも失う前に気づく大切なものがあることに、賭けてみる価値はあります。離婚を考える前に、まずあなたの思いの丈をぶつけてみましょう。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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