"おもてなし"は「方程式」で標準化できる 急成長を支える「感動の技術化」とは?
杉元:そんななかから、さまざまな情報をつなぎ合わせて「こういうパターンが勝ちパターンかもしれない」と仮説を立てながら試してみる、とそんなことをやっています。あと、女性誌を月に20冊は読んでいます。こういうものがはやっているなとか、この撮影はこの前行ったレストランだなとか、こういう色目が流行っているなとか、そういう情報は、新しい施設をつくるときなども、とても参考になります。
「感動の技術化」を推進するカギ
山口:さて、サービスを高度化しようとすると、どうしてもサービスが複雑になっていき、だんだん一部の従業員にしかできないサービスになって、結果として成長が制約されてしまう場合があります。御社の「感動の技術化」というのは、サービスの高度化を果たしつつも、汎用性を高めることで、これまで直面していたトレードオフをぶち破る取り組みだと思います。そういうときに、少し意地悪な見方をすると、「それ、本当にできるの?」と否定的な態度の人が社内にも当初はけっこういらっしゃったのではないかと思うのですが、実際に社内で「感動の技術化」を推進していくときのカギはどんな点だったのでしょうか?
杉元:コツというほど明確なものではありませんが、まずビジョンですね。会社がどういう方向に進みたいか、お客様にとってどういう存在でありたいかという未来の景色を、社員にしっかり伝え続けていくことだと思っています。PDPには、働こうと思えばどこの会社ででも働ける、高い能力のメンバーが揃っています。そういうメンバーが、この会社にとどまって、この会社で夢を実現しようと思えるようなビジョンを示せることが大事だと思っています。
サービスを通じてお客様に「感動」を提供したい。それを通じて日本のGNH(Gross National Happiness国民総幸福量)を上げることに寄与しようとしているんだ、ということに全員で視界を合わせていくことは、とても重要なことだと思います。このことは何度も何度もメンバーに伝え続けています。いまやろうとしていることは、ビジネスとしてこういう意図があるんだよと、私の考え方をメンバーにしっかりと話すことで、私とメンバー全員の考え方がシンクロするようになればいいと考えています。
いまはとにかく勝ちパターンをつくろうということでやっていますが、将来はそれをもっと高いレベルにもっていこうとか、海外にもっていこうとか、そんな夢を一緒に語ることで、パッショナブルな方向に振っていくことも必要だと思っています。メンバーとできるだけ多くコミュニケーションをとることによって、みんなの理解や共感が進むようにいつも心がけています。(後編に続く)
(撮影:梅谷秀司)
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