どうなる?カップヌードルの肉変更/あっぱれ!森永製菓の顧客志向と社会志向のマーケティング/時代は細マッチョ?サントリーの戦略を読み解く《それゆけ!カナモリさん》

 今回のプロテインウォーターは、「“スタイルが気になる現代人”のための、プロテイン補給飲料」というポジショニングを掲げているが、むしろキーワードはCMで繰り返し表現されている「細マッチョ」ではないか。

プロテインは筋肉をつけたい人が摂取する栄養素。本来、粉や錠剤で筋トレの後に飲んだり、寝る前に飲んだりして理想の筋肉を育てるもの。それには、ムキムキのイメージ、マッチョなボディビルダー、水に沈むほどたくましくも重々しいイメージがつきまとう。今回のプロテインウォーターのCMでは「ゴリマッチョ」という表現をしている。

しかし、日本でゴリマッチョの居場所はあまりない。もてはやされるのも、宴会とか、話の種とかだ。世間一般女子に「わーっ、すごい!」と言われても「わーっ、かっこいい!」と言われた経験のあるゴリマッチョは少ないだろう。「ムキムキに抱かれたい!」「マッチョの動く大胸筋にそそられる」という女子はマイノリティ。ゴリマッチョは「日本女子規格」からはみ出てしまっている感が否めない。

いかにもやってる感たっぷりなゴリマッチョではなく、「意外とあいつ、いいカラダ」というちょっとしたサプライズは、男子には「あいつすげぇじゃん、やべえ」と焦燥感。女子には「あれ、結構かっこいいかも」と好印象を与える。「スリムなのに、脱ぐとそこそこいい筋肉がついてる」という細マッチョの潜在的な人気を見抜いてCMを仕立てたのだろう。

LIFE PARTNERの旗艦商品、DAKARAは現在のCMでは、脂肪、塩分、糖分の「余分三兄弟」を登場させ、健康的な生活のためによくないものを排出しようとメッセージを送っている。生活習慣を改善したら、次のステップ。「理想のカラダをつくりましょう」ということで「日本女子にもてはやされる、細マッチョなカラダづくり」を提案しているわけだ。

サントリーは潜在的なニーズを顕在化させ、男子を中心としたターゲットを拡大しつつある。……次の商品とターゲットは深田恭子が映画「ヤッターマン」のドロンジョで目指した、女子の「くびれ」か?


《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2009年4月10日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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