仙台・不動産市況--新築空室率52%! 東京資本が演出したクレーン林立の“悲劇”《不動産危機》


 一方、仙台駅西口の「中央南地区再開発構想」は、主要地権者の西武百貨店が昨年12月、景気悪化を理由に出店見送りを表明。15年の市地下鉄東西線開業に合わせた計画は宙に浮いた。仙台市内では昨年、郊外に大型アウトレットモールが2カ所誕生したが、中心部からの買い物客流出も指摘されている。

もう一つ、仙台駅前で注目されているのが、仙台ホテルの成り行きだ。07年3月にオリックス不動産が取得。同社は翌年11月に隣のGSビルも代物弁済の形で取得した。両ビルともかなり老朽化しているため、一体開発も予想される。ただ会社側は、仙台ホテルは09年末日で営業終了し解体予定だが、その後の計画は「未定」としており、GSビルについても、市況を見ながら「検討中」という。むしろ、今の経済情勢下で大型再開発を始めるにはリスクが大きすぎると考えるほうが自然だろう。

住宅市場でも近年、市内中心部や郊外に大量供給されたマンションなどの大幅値引きが目立つという。仙台中心部から約20キロメートルの大和町で計画されていた東京エレクトロンの新工場が昨年末に着工延期が決まるなど逆風は強まるばかりだ。
 人口103万を抱える仙台市は東北の中核としてだけでなく、将来的な国際都市としての発展を目指している。不動産関係者はそうした長期ビジョンにも期待して開発ラッシュを演出したが、思わぬ環境悪化で戦略見直しを余儀なくされている。


(週刊東洋経済)

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