ところで、この野立て看板には、新幹線の車窓からでは絶対にわからない仕掛けがある。現地に赴き、無数に描かれた「プチ」の文字をよーく見てみよう。
全部で51個ある「プチ」の中に、2つだけ違う文字が隠れている。次第に小さくなっていく文字の中でもかなり小さいところにあり、新幹線からでは絶対に読み取ることはできない。
「平塚市内にあった頃から、当社の看板を目印に毎日お散歩を楽しんでくださる地元の方がいらっしゃいました。そこで、新幹線から見るだけではなく、現地に行って初めてわかる仕掛けを取り入れてみました」(杉山氏)
看板の「現地」に行ってみよう
野立て看板が設置される場所は、新幹線からよく見えることが条件だ。逆に言えば、看板からは新幹線がとびきりよく見えるということでもある。
そこで、野立て看板をはじめ、新幹線から見えた車窓風景を訪れる旅というのも面白い。ガイドブックに掲載されるような観光地ではないので、地図を見て見当をつけ、そこまでのアクセスを探さなくてはならない。
今はネットの地図サービスがあるおかげで調べるのは簡単だが、看板の位置を特定するのはそれなりに大変だ。周辺の景色などを参考に航空写真を眺めていると、パズルを解くような面白さがある。実際に出かけるのも楽しく、電車好きな子どもがいれば、きっと喜ばれる。
プチプチ看板へは、平塚駅北口または二宮駅から神奈川中央交通バス平32系統に乗り、寺坂宮前バス停で下車すればよい。このバスは1時間に1本程度運行されており、途中湘南日向岡住宅の横も通るので、標高67mの丘に登って、新幹線を眺めることもできる。16両編成400mの編成を一望できるスポットはなかなかない。晴れていれば、相模湾も遠望できる。
そういえば、前回紹介したセブンツーセブン化粧品の全国に2基だけという「謎の野立て看板」。必ず自分で探しだそうと、新幹線に乗るたびに車窓に目をこらしていたが、先日ついに1基を発見した。
場所ははっきりとは書かないが、日本の大動脈の、思ったよりも西のほうにあった。和の香りと手作り感漂うデザインが楽しい。これも、近いうちに場所を特定し、実際に訪れてみよう。
列車から車窓風景を楽しんだら、気になった景色を探す旅に出る。これが新しい車窓風景の楽しみ方だ。
まもなく、東海道新幹線は小田原に到着する。
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