日本株が間もなく「落ち着き」を取り戻す理由 底打ちを示唆するシグナルが出揃いつつある

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2015年9月末、日経平均株価が1万6900円台まで急落した。東京株式市場ではサウジアラビア通貨庁(SAMA)の保有している情報通信や精密機器等が大きく下げた。また、カタール投資庁(QIA)は保有している独の自動車株やスイスの資源株の急落で損失を抱えたとの話題は記憶に新しい。

産油国ノルウェーのSWFは世界最大といわれ、その規模は90兆円近い。しかし、2015年の原油価格は1年間かけて3割下げた。産油国ファンドが歳入不足を補うため、株式等の資産圧縮を余儀なくされた。

その売り圧力がヘッジファンドの運用悪化や一部閉鎖に追い込むなど、負のスパイラルに飛び火している様子。ただ、2016年の原油価格は3週間足らずで2割の急落に達し、足元の下げピッチは異常といえる。いったん下値模索は一服するとの見方もできよう。

バフェット指標での下値メドは1万7000円前後

「バフェット指標」、米著名投資家が「GDP≒時価総額」は同じ比率で推移するとの前提に立ち、株価の適正水準を探る目安としている。個別企業における株価売上高倍率(PSR)と言い換えることもできるだろう。

2014年度の名目GDPは491兆円。2015年夏の時価総額はバブル期を上回る600兆円台となり、GDP比1.2倍を超えていた。それが足元の時価総額は500兆円前後となり、GDP比1.0倍程度までしぼんでいる。時価総額からみた日経平均株価の下値メドは1万7000円前後ともいえる。

またテクニカル指標に目を移すと、底入れを示唆するシグナルがそろいつつある。まずは、200日線かい離。過去5年の日経平均株価を振り返ると、2010年のギリシャショック、2011年の東日本大震災や米国債格下げ、2015年のチャイナショック等による急落局面では、いずれも200日線かい離マイナス12%前後で下げ渋っている。

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