中国の関心は「南シナ海」から「台湾」に移った 独立派の圧勝に警戒

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2008年に親中である国民党の馬英九氏が政権の座を握って以降、通商や観光で協定を締結するなど中台関係はかつてないほど緊張緩和が進んでいた。

蔡氏率いる民進党は、再び緊張をもたらすことにはならないと主張するのに苦心しているようだ。蔡氏は勝利宣言で中国問題について触れ、平和の維持に努めるとしたうえで、台湾の権益と主権は守ると語った。

苦い果実

台湾の独立に反対する立場を繰り返す中国は、比較的慎重な姿勢を見せてはいるものの、先には大きな不安が待ち受けている。新華社は、独立に向けたいかなる動きも、台湾を滅ぼすことになる「毒薬」のようなものだと警告した。

中国人民解放軍の南京軍区副司令官を務めた王洪光・中将は17日、インターネット上で発表した論評のなかで、人民解放軍は現在、対台湾作戦でかつてないほど準備が整っていると明らかにしている。

「前線部隊は翼が生えたトラのようだ。蔡英文と彼女の独立部隊はそれを逃れられると考えるべきではない。中国本土は台湾独立という苦い果実を飲み込むわけにはいかない」と王氏は述べている。

また、ある西側の上級外交官は、台湾について中国当局者と交わした最近の会話について触れ、世界も中国指導部にとっての台湾の重要性を過小評価するべきではないとし、「中国政府にとって台湾ほど重要なことはない」と語った。

中国政府はまた、台湾は中国の一部であると疑わない国内世論に気を配る必要がある。中国版ツイッターと言える微博(ウェイボー)では「台湾を統一するために武力を行使せよ」というフレーズの人気が急上昇した。

次ページ状況はもっと悲観的になる
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事