電気料金の自由化、"お得"に潜むリスクも 多消費世帯が優遇の対象、手数料にも注意を

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ジュピターテレコムは、第3段階料金(月に300キロワット時を超えて使用した分)について、東電の現行料金と比べ、10%の割引率を設定している。この層については、東電や東ガスなど多くの企業が上得意客に位置づけており、ポイント付与なども含めて囲い込みを図っている。

解約時に手数料が発生する場合も

契約に際して注意すべきなのが、契約時や解約時の手数料だ。東電をはじめ多くの企業では契約時に手数料はかからないが、ジュピターテレコムでは電気の契約の際に3240円の契約事務手数料が必要。東電やジュピターテレコムのプランでは、解約手数料が発生する場合もある。

たとえば東電とソフトバンクのセットプランでは、契約期間満了日の2カ月前よりも早く解約したら、プレミアムプランで5000円、バリュープランで2500円(いずれも税込み)の解約手数料が発生する。ジュピターテレコムでも、プランの内容によって異なるものの、一戸建てで2万1600円かかることがある(スマートお得プラン160電力パック)。

セット契約に関しては、料金を滞納したときの影響が公共料金に広く及ぶケースもある。東ガスのセットプランでは、電気とガスの契約は別々であるため、電気料金を滞納してもガスを止められることはない。一方、東電とソフトバンクのセットプランは、電気・携帯料金の合算払いが条件。2カ月続けて料金を滞納してしまうと、携帯や電気の料金規定に従って、両方を止められかねない。

あわてて加入して後悔しないためにも、電気の契約について、消費者はさまざまなチェックポイントに目配りしておく必要がある。

「週刊東洋経済」2016年1月23日号<18日発売>「核心リポート02」を転載)

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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