「維新の党」分裂騒動、銀行口座凍結の舞台裏 政党交付金をめぐり対立が先鋭化

拡大
縮小
維新の党の両院議員懇談会であいさつする松野代表(中央)(15日午後3時3分、衆院第1議員会館で)=菅野靖撮影 (写真:読売新聞/アフロ)

「分裂」から「除名」に発展し、争いが激化する維新の党だが、いよいよ泥沼の「奇襲作戦」が横行している。

「なんとか17日に銀行口座が凍結されたようだ」

週が明けた10月19日、ほっとした様子の執行部側の維新の党議員がそう言った。翌20日は政党交付金の振込日。6億6000万円が維新の党の銀行口座に支払われることになっていた。

だがその銀行口座を管理し、通帳と印鑑を保管するのは大阪市の党本部。いわゆる大阪系の牙城である。松野頼久代表は14日に馬場伸幸前国対委員長、片山虎之助前総務会長、東徹前総務会長代行の3名を除名し、翌15日には「おおさか維新の会」に参加する9名の国会議員と153名の地方議員を除名したが、資金に関する権限は彼らが握っているのだ。

通帳と印鑑の奪い合い

松野氏はこれらを奪取すべく、先週後半に松木謙公幹事長代行を大阪に派遣。松木氏は通帳と印鑑を引き渡すよう求めたが、井上英孝氏ら大阪系の議員らに拒否された。

一方で除名された大阪系の議員たちは、10月24日に臨時党大会を開催。同日に予定していた「おおさか維新の会」結党大会を31日に延期することを決定した。臨時党大会では新たな執行部を選任し、解党手続きを取るつもりだ。

次ページ「維新の党は日本にとって百害あって一利なし」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT