「維新の党」分裂騒動、銀行口座凍結の舞台裏 政党交付金をめぐり対立が先鋭化

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橋下徹・大阪市長は「解党」を目指している(写真は同氏のtwitterでの「つぶやき」)

「維新の党を作った者の責任として維新の党を解党し支払いを終えて残ったお金は国庫に返納することを決めました」

「維新の党は日本の国にとって百害あって一利なしです。これから潰しにかかります。これは政党交付金を少しでも国民の皆様にお返しするためです」

8月に維新の党を離党したものの、いまだ大阪系の議員たちに大きな影響力を持つ橋下徹大阪市長は19日、ツイッターでこうつぶやいた。だが執行部側の議員は冷笑する。

「5月の大阪都構想の住民投票にかかった広報費用が約5億円。他に全国から動員されたボランティアの交通費や滞在費などで、1億5000万円かかっている。彼らは10月に支給される政党交付金でこれを払おうとしたところ、銀行口座が凍結されてそれができない状態だ。橋下氏は『残ったお金を国庫に返す』と言いだしたが、こう言えば国民の多くが賛同し、その声に押されて我々が口座凍結を解除せざるをえなくなると計算しているのだろう」

すでに広告代理店から広報費用の請求書が届いているというが、支払いの目途はたっていない。そもそも銀行口座が凍結されているのに、お金が残るのだろうか。20日の会見で、松野氏がこう述べている。

「10月24日に解党すれば赤字になる」

「10月24日に解党すれば赤字になる。12月に支給される政党助成金が入れば少しは返せるだろうが、ほとんど残らない。来年以降は(維新の党が存在しないために)政党助成金は他党に振り分けられるので、国民に戻ることはない」

凍結された10月分の政党交付金とこれから支払われる予定の12月分の政党交付金。その行方はどうなるのか。

総務省によれば政党交付金の支払いを受けるには、政党はその支払い日の10日前までに申請書を出さなければならず(10月支給分については、カレンダーの都合で13日まで)、振込口座や代表名を変更する場合は、申請書に加えて登記事項証明書と印鑑登録証明書を提出する必要がある。すでに執行部側は振込先を変更すべくその準備に着手しているが、橋下氏の配下にある大阪系の議員たちは、松野氏に10月1日以降は代表権限がないと主張しており、12月に支給される政党交付金をめぐっても、争いが起こりそうだ。

ではどちらの主張に正当性があるのだろうか。

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