元祖"買収王"ミネベア、ミツミ統合の狙い 厳しい競争下、互いの技術を求めた再編劇

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会見で両社長ともに「対等な統合」を強調した(撮影:今井康一)

2015年の再編劇のトリを務めたのは、ミネベアとミツミ電機だった。

両社は12月21日に経営統合で基本合意。17年4月までにミツミ電機株をミネベア株に交換し、社名は「ミネベアミツミ」とする方針だ。新会社の会長兼社長にはミネベアの貝沼由久社長が、副会長にはミツミ電機の森部茂社長が就任する予定。今年3月までに、残された株式交換比率などを決定する。

両社長は20年前からの旧知の仲で年齢も同じ。「9月に貝沼社長から話があった。このスキームがいいと思ったし、貝沼社長は裏切らない」と森部社長は言い切る。早期の決断の背景には、二人の信頼関係があったようだ。

ともにスマホ向けなど電子部品を供給するが、事業領域は異なる。ミツミ電機が得意なのはアンテナやセンサー、コネクター部品など、入力機器や変換・制御機器。他方、ミネベアは極小ベアリングを筆頭に、モーターなど出力機器の製品が多い。競合分野が少なく補完関係が成り立つ。

売上高1兆円に近づく

両社の技術を組み合わせれば、IoT(モノのインターネット)対応のセンサーや駆動装置など、新製品を生み出す可能性が広がる。生産の効率化も図ることができる。

「1000人いる設計技術者を入れて技術力を高めたい」(貝沼社長)、「ミネベアの精度の高い金型を使えば歩止まりを下げられ収益拡大につながる」(森部社長)。

統合により、貝沼社長が目標としてきた売上高1兆円、営業利益1000億円に近づき、日本電産や村田製作所などと肩を並べ、電子部品大手の仲間入りをする目算だ。

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