元祖"買収王"ミネベア、ミツミ統合の狙い

厳しい競争下、互いの技術を求めた再編劇

ただ、発表では「対等の合併」を強調するものの、株式市場では「ミネベアによるミツミ救済の色合いが濃い」との声が少なくない。発表翌日の株価は、ミツミ電機が一時15%超の上昇を記録したのに対し、ミネベアは逆に一時5%超下がってしまった。

ミツミ電機は任天堂のゲーム機向けの電子部品が伸び、ピーク時に1000億円を売り上げたが、ゲーム機失速のあおりで業績が悪化。売上高全体は08年3月期の3000億円超から前期は1500億円強へと半減している。

液晶向けバックライトの"次"

スマホや車載モニターに使われる、カメラのオートフォーカス部品が新たな柱だが、パワーを欠く。人員削減や生産拠点閉鎖は考えていないとするが、「ミネベアのカンボジア工場への生産集約など経営資源の抜本的な再配置が必要」(UBS証券の平田真悟アナリスト)との指摘もある。

一方、ミネベアの事業環境も、盤石ではない。今の成長を牽引するスマホ液晶向けのLEDバックライトはいつまで競争力を保てるか、という課題がある。バックライトが不要な有機ELをディスプレーに採用する動きも出ている。将来へ向けた新製品開発を見据えれば、ミツミ電機の技術を取り込む必要はあった。

そもそもミネベアは"元祖M&A企業"と呼ばれ、45年間で33社の企業を買収して拡大してきた。しかし、今回は買収という形を捨て、社名までも変える決断をした。そこにはどんな形でも統合を進めたいという、ミネベア側の意思が表れている。

「週刊東洋経済」2016年1月16日号<12日発売>「核心リポート06」を転載)

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