日本ゼオンがカメラレンズ用の新材料 スマホをもっと薄く
もっと薄く、軽く、小さく--。
世界的に需要が拡大するスマートフォンやタブレット端末。中でもスマホは端末をさらに小型・軽量・薄型化しようとする動きが進んでいる。部品や材料系メーカーもスマホメーカーの要望に応えようと、関連する技術開発が活発だ。
その一つとして化学メーカーの日本ゼオンが新しい材料を開発した。9月からサンプル配布を始める透明樹脂「ZEONEX K26R」である。
ZEONEXは携帯電話用カメラレンズ用に実績を持つプラスチック。正式には「熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー」の一種で、日本ゼオンは熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマーを、液晶パネル用の光学フィルムやプリンター、スマホ、デジカメ、医療検査機器といった光学用途などに展開している。
今回、新たに開発した新グレードの「K26R」はスマホ用カメラ向けに技術改良を行い、従来品と比べてレンズの厚みを半分程度に薄くしても、同等の性能を確保できるようにしたという。日本ゼオンは9月より「K26R」のサンプル配布を始める。2014年度には売上高10億円以上を目指す。
スマホの薄型・小型化をテーマとした部品、材料としては、旭化成も7月に、方位磁石と同様の役割を果たす電子部品である「電子コンパス」を小型・薄肉化した新製品を発表。こうした部品、材料メーカーの技術が積み重なって、スマホはまだまだ薄く、小さく、軽くなっていきそうだ。
(写真は新開発の樹脂で試作したレンズ)
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら