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悲観視されるNEC、中途半端なリストラで市場の懸念ぬぐえず

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ではなぜ、NECがそれほど悲観的に見られるのか。一つは、リストラが中途半端であることだ。分離した半導体事業であるルネサスエレクトロニクスは信託拠出分を合わせて約35%の株式を保有。ルネサスの危機を無視できず、「安定的に製品を供給する保証金」名目で175億円の支援を余儀なくされた。中国大手レノボの出資を受けて持ち分会社化したパソコン合弁にも依然49%出資する。リスクを切り離していないため、追加損失の懸念は消えない。

お荷物事業も残っている。携帯電話を製造するNECカシオモバイルコミュニケーションズ(出資比率約70%)は前期約290億円の最終赤字で199億円の債務超過だ。04年まで国内トップシェアを誇った携帯電話事業は見る影もない。人員削減や海外への生産移管などで3割の原価引き下げを目指すが、スマホ移行に出遅れ、抜本改善は難しい。

稼ぎ頭の通信会社向けの機器およびサービスは、目下、スマホ対応の設備増強需要で好調だが、海外勢の攻勢で中期ではジリ貧傾向にある。長年の課題である海外進出も進んでいない。海外売上比率はライバル富士通の34%に対し16%。今年だけで約570億円を投じ、海外のシステム会社3社を買収したが、合計でも売上高390億円弱。証券アナリストは「財務の圧迫要因でしかない。国内のテコ入れを優先するべき」とにべもない。

8月28日、NEC本社を訪れた鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長から、NECが持つ液晶関連特許の購入の申し出を受けた。資産や事業の売却を続けてきたNEC。縮小スパイラルを止めることが必要だ。

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(島田知穂 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年9月8日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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