中国市場減速を跳ね返し、成長するニッポンの建機
景気を映す鏡といわれる建設機械の需要。昨年来、中国市場の減速ばかりが取りざたされているが、実際は中国以外の市場が中国の落ち込み以上に伸びている。国内建機メーカーの出荷金額は、2013年度まで順調に増加していく見通しだ。
日本建設機械工業会(建機工)は8月23日、12~13年度の建設機械需要予測を発表した。同工業会は毎年1月と7月に正会員である建機メーカー68社を対象に出荷金額のアンケートを行い、それに基づいて集計した需要予測を2月と8月に発表している。
今回の予測によると、国内向けと輸出を合わせた12年度の建機出荷金額は、前年度比10%増の2兆2672億円に拡大する見込み。2月の前回予測である、2兆2237億円からは若干の上方修正となった。加えて今回初めて発表した13年度の出荷金額予測は2兆4767億円と、12年度からさらに9%増え、直近ピークで過去最高を記録した07年度の2兆4426億円に迫る。
12~13年度の牽引役となるとみられるのは、震災の復旧・復興需要が本格化する国内だ。建機工の予測では、12年度の国内出荷金額は6666億円(前年度比18%増)、13年度は7279億円(同9%増)。これまではがれき処理用に油圧ショベルやダンプトラック、リサイクル機械(木材粉砕機など)が多く使われたが、今後は高台の造成や街づくりなどにブルドーザーや建設用クレーンなどさまざまな機械が必要になる。
同日、都内で開いた会見で、建機工の竹内紀行会長(キャタピラージャパン社長)は「復旧・復興需要がそろそろ本格的に出てきそうだ。今後3~4年はいろいろな機械の需要が増えるだろう」と話した。