就活に役立つ!「会社四季報」使いこなし術【第6回】--会社の健全性を見極めよ!カギは株主持分にあり

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それを踏まえて、肝心の株主持分に話を移します。株主持分とは、株主から集めた資金である資本金や利益の蓄積などが中心で、返済の必要がない資金です。つまり、株主持分比率とは、「会社の財産全体を、返済の必要のない資金でどれだけ賄えているか」を示しているというワケです。

これも一般家庭に置き換えてみましょう。単純にいえば、住宅や自動車をローン(借金)で購入したか、手持ちの現金で支払ったかどうかの違いを想像してみると分かりやすいでしょう。ローンで買えば、毎月の支払いが発生しますが、現金で購入すれば、その後の支払いは税金などのメンテナンス費用だけですみます。家計の健全度合いが大きく違ってきますよね。企業にも同じようなことが言えます。

ただし、株主持分比率が高すぎる場合にも、ちょっとした注意が必要です。財務体質が健全なことは間違いないのですが、それは単に投資を抑えて利益の確保を優先してきただけという可能性もあるのです。この場合は、企業としての安定性には優れても、今後の成長性の魅力が少ない、ということも考えられます。

 

 

また、上記の「有利子負債」も企業の健全性を測るうえで参考になる数字です。基本的には有利子負債とは、いわゆる借金のことで、借入金のほかに社債や転換社債といった金利を支払う必要のある資金です。株主持分比率と有利子負債のバランスは結構、重要です。

 

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