導入余地が大きい人事システムと業務の外部委託(BPO) その2

●問題になるのはBPOベンダーの信頼性

 BPOベンダーの選定基準では、「人事部門の業務への精通度」が58%と唯一過半数の企業が選択している。次いで、「価格競争力」「法令改正対応力」を挙げる企業が多い。
 最後にBPO普及のための課題を紹介したい。人事担当者のフリーコメントを整理すると、下記のような課題から利用が進んでいないようだ。

 まず問題になるのはBPOベンダーの信頼性だ。その企業が倒産すれば、社内にノウハウが蓄積されていないので人事業務が滞ってしまう。データ流出の恐れもあるが、リスク管理を自社で完結できない。

 ところがBPOベンダーの信頼性を担保する評価法がない。評価ができなければ、ガバナンスができない。だからBPOベンダーを使えないという理屈だ。

 またBPOを利用するなら、なるべく多くの業務のアウトソーシングが望ましいが、社員との“つなぎ役”という役割を外注化できないので、中途半端なBPOならやらない方がいいという意見もある。

 コスト増も利用が進まない原因。「いったん依頼してしまうと費用が固定化する」という声がある。コスト増と関連して、社内の無理解もBPO利用を妨げており、「社内説明などの調整の難しさ」を挙げる声もある。

 BPOベンダーの努力不足もある。「“他社では対応していない”という理由でベンダーに対応してもらえない」という意見がある。

 日本でのBPOの普及には、まだ時間がかかりそうである。

図表8:BPOベンダー選定基準

HR総合調査研究所(HRプロ株式会社)
(本社:東京千代田区、所長:寺澤康介)
人事のプロを支援するポータルサイト「HRプロ」を運営するHRプロ内の調査・研究部門。企業・団体のHR(人事)領域に関する調査、研究を行う。外部の調査機関による調査研究結果も紹介するなど、「開かれた研究所」を志向する。「HRプロ」内に、新卒/中途採用、教育・研修、労務、人事戦略などの業務に役立つ調査レポートを掲載している。

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