好調なトヨタ系自動車部品各社の第1四半期決算、予想修正は対応分かれるが上方修正は堅い?

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(2)のように第2四半期を上方修正したのに通期を据え置いているということは、計算上、下期が期初計画より悪くなることを意味する。しかし、「上期の上振れ分が全部下期に落ちるとまでは考えていない」(アイシン精機)、豊田合成も「主要な自動車メーカーの下期の台数がどうなるかを見極めてから通期予想を考えたい」(小林大祐取締役・常務執行役員)と言う。つまり下期に具体的な悪材料がない以上、今後、通期計画の上方修正は十分ありうるわけだ。

(3)についても「第1四半期はよかったが、(エコカー補助金駆け込み需要の)反動減がどのくらいあるか読めない」(トヨタ紡織)という。これも今後、第2四半期と通期の上方修正の可能性がありそうだ。
 
 ちなみに愛知製鋼は第1四半期で第2四半期の営業利益を上回ってしまったが、これは「鋼材・鍛造品の価格交渉が未決着で、当社提示価格による見積もり金額で売り上げ計上した」(鵜飼正男常務)という特殊要因によるもの。しかし「受注自体が好調なのは間違いない」(知野広明経理部長)という。

8月3日には、本丸・トヨタ自動車の第1四半期決算が発表される。トヨタの通期計画の動向も自動車部品メーカーの今後を占う大きな材料になるはずだ。
(大坂直樹 =東洋経済オンライン)

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