山手線「新型車両」は、なぜいま必要だったか 車両製造の都合など4つの理由から推察!
JR東日本の山手線は不思議な路線である。莫大な旅客運輸収入を計上し、営業利益も相当あることは間違いないにもかかわらず、表面的には割合つつましやかな路線、言い換えれば「ケチくさい」路線であるからだ。
同社によると、山手線の正式な区間である品川-新宿-田端間20.6kmで2014年度に得られた旅客運輸収入は1053億5100万円であったという。1km当たりの旅客運輸収入を求めると51億1412万6000円となり、同年度に1兆0696億円の旅客運輸収入を上げた東海道新幹線の1km当たり19億3557万7000円をも上回る高収益路線であると言える。
山手線が表面的にはつつましやかな路線に見えるのは、電車に乗って一周すればすぐにわかる。完成時期が古いのでやむを得ないかもしれないが、それにしても各駅のプラットホームは狭くて暗い。ラッシュ時以外であっても、電車が到着するたびに階段やエスカレーターには人があふれて閉口する。
新型車登場にまつわる「不可解」
関係者各位や利用者各位が気を悪くされないよう、山手線で施された改良点も挙げておこう。筆者は34年前から山手線を主に通勤、通学の足として使用してきた。当時に比べれば現在の山手線は全く別の路線だと言ってよい。
まず、朝のラッシュ時でもプラットホームへとすんなり入っていけるようになった。当時は「階段規制」と言って、改札口を入った後、プラットホームが空くまで階段の下で待たされたものだ。それから、線路の状態は非常に良くなった。かつては代々木-新宿間では恐ろしいほど電車が揺れたものだし、新大久保-高田馬場間では電圧が低すぎて電車がなかなか加速しなかったのである。
しかしながら、今日の山手線では何とも不可解な事態が起きている。E235系電車という新車の投入劇だ。
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