生活保護の給付水準下げ自立意欲高める、権利の制限は仕方ない--参議院議員・世耕弘成

生活保護の給付水準下げ自立意欲高める、権利の制限は仕方ない--参議院議員・世耕弘成

生活保護費増加の問題の根源は、給付水準が高すぎるため、本来自立できる人が保護に頼るというモラルハザードが生じていることだ。その結果、国民の間にも不公平感が広がっている。

勤労者所得は直近の10年間で約15%減少しているが、生活保護費は0.7%しか見直されていない。自民党はこうした所得の減少や国民年金とのバランスを考慮し、給付の10%削減を提案している。

現金給付から現物給付への転換も必要だ。生活用品や住宅を現物で支給すれば、貧困ビジネスを抑制できるほか、受給者の自立へのインセンティブにもつながるだろう。

生活保護法改正案で前面に出したいのは、自立支援策だ。具体的には、保護期間に自立後の基金を作る「凍結貯蓄」の仕組みなどを導入することで、働いたほうが得だという明確な方向を打ち出したい。

権利の制限は仕方ない

現物給付や親族の扶養義務の強化で、本来必要な人に届きにくくなるという声もある。しかし本当に生活に困窮していれば、受けにくくなることはないのではないか。

見直しに反対する人の根底にある考え方は、フルスペックの人権をすべて認めてほしいというものだ。つまり生活保護を受給していても、パチンコをやったり、お酒を頻繁に飲みに行くことは個人の自由だという。しかしわれわれは、税金で全額生活を見てもらっている以上、憲法上の権利は保障したうえで、一定の権利の制限があって仕方がないと考える。この根底にある考え方の違いが大きい。

せこう・ひろしげ
1962年生まれ。早稲田大学卒業後、NTTを経て、伯父の地盤を引き継ぎ1998年より参議院議員(自民党)。

(週刊東洋経済2012年7月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。撮影:尾形文繁
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • ブックス・レビュー
  • 就職四季報プラスワン
  • 映画界のキーパーソンに直撃
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
電池開発でノーベル化学賞<br>吉野彰氏が示した「危機感」

受賞会見とともに、リチウムイオン電池の開発の歴史と当事者の労苦を振り返る。世界の先頭を走ってきた日本も、今後および次世代型の市場では優位性が脅かされつつある。吉野氏率いる全固体電池開発プロジェクトに巻き返しの期待がかかる。