社内処分で幕引き急ぐ野村証券のぬるい体質

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社内処分で幕引き急ぐ野村証券のぬるい体質

大手証券会社によるインサイダー情報の漏洩が相次いで発覚している。野村証券や大和証券が2010年に主幹事を務めた企業の公表前の増資情報を顧客に漏らしていたことが明らかになったほか、SMBC日興証券では元執行役員がインサイダー取引の疑いで逮捕された。こうした事態を受けて、金融庁は7月3日、外資系7社を含む大手証券12社に対して、「法人関連情報の管理態勢に関する点検」を行ったうえで、8月3日までに報告するよう命令を出した。

発覚したインサイダー問題で、国際石油開発帝石、みずほフィナンシャルグループ、東京電力と最も多くの案件にかかわっていたのが、業界最大手の野村証券だ(表)。同社の親会社である野村ホールディングスは6月29日、社外弁護士らで作る調査委員会による調査結果と改善策を発表。渡部賢一グループCEOは6カ月間、柴田拓美グループCOOは5カ月間、月額報酬を50%カットするほか、投資家に情報を漏らしていた機関投資家営業部の担当とコンプライアンス担当の役員2人が退任。機関投資家営業部の廃止などを打ち出した。

だが、野村の対応には腑に落ちない点がある。同社は調査委員会を設置した時期について、今回の問題の発端となった国際石油開発帝石のインサイダー取引が発覚した「3月末」(渡部氏)としている。ところが、野村がその存在を外部に初めて明らかにしたのは6月8日。3件目の発覚となった東京電力の公募増資に絡むインサイダー問題について、違反したファースト・ニューヨーク証券への課徴金納付命令の勧告措置を証券取引等監視委員会が実施した日である。


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