鉄道大手が今、「ベンチャー投資」に走る事情 東急、阪急阪神、西鉄が相次いで参戦

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「東急アクセラレートプログラム」の授賞式後の様子。前列左から4人目が東急電鉄の野本社長

東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで11月11日、ユニークなイベントが行われた。東急電鉄がベンチャー企業を支援する「東急アクセラレートプログラム」の最終審査会である。アクセラレートとは「加速する」という意味だ。事業協力をしたり、出資したりすることで、ベンチャー企業の成長を後押しする。

近年、大手企業や金融機関によるベンチャー企業支援の動きが活発化している。多くの企業におけるベンチャー投資の理由は「自社でできないビジネスだからベンチャーと組みたい」「キャピタルゲイン(株の売却益)を狙いたい」といったものだが、鉄道会社の場合は「沿線居住者の利便性を高めたい」という理由も加わる。

西鉄も11月にベンチャー支援の取り組みを打ち出した

阪急阪神ホールディングスでは、3月に阪急電鉄が「梅田スタートアップファンド1号」を組成している。ファンドに2億円を拠出して、8年かけて関西圏のベンチャー企業に投資する。

7月には出資第1号として、料理レシピサービスを提供するアプリ開発会社への投資を決めた。阪神電鉄は、3日間でアイデアを形にする企業体験イベントを7月と10月に開催している。

西日本鉄道(西鉄)は11月に「西鉄オープンイノベーションコンテスト」を開催すると発表した。西鉄グループへの事業提案を行ってもらい、西鉄グループの成長・サービスの向上につなげるというのが目的だ。来年1月下旬に最終選考が行われる。

最終選考に残った8件のプラン

東急アクセラレートプログラムは「東急線沿線の生活利便性を高めるサービスを創出すると同時に、渋谷を中心とした東急線沿線でのベンチャーエコシステム(生態系)を構築する」というコンセプトで、7月に発足した。117件の応募があり、審査の結果、8件が最終選考に残った。

最終選考会の当日は、壇上でプレゼンテーションした8人の起業家に対し、審査員たちがアイデアの革新性や実現可能性について質問を浴びせた。8つのビジネスプランは、どれもユニークなものばかりだ。

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