顧客との絆づくり型O2Oで世界にも挑戦する無印良品(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
約1年前からは、ネットストアで注文した商品の店頭での受け取りサービスを実施している。希望の店舗で受け取ることができ、利用者にとっては配送料がかからないというメリットがある。今年は、店頭受け取りサービスの利用者が増えてきた。
無印良品としては、売り上げを地域で分散化できるというメリットもある。
「非常に面白いことがわかった。通常、売り上げ上位に来るのは、有楽町や池袋西武などの規模の大きい店舗だが、店頭受け取りサービスを実施すると、小さい地方の店舗が伸びる。たとえば近くの西友に入っている店舗では、子供向け用品の品ぞろえが少ない。とはいえ毎週末有楽町店には行けない、といった場合がある。ネットストアで商品を注文し、西友の店舗で実物を確認して買い上げるというケースがある」(奥谷氏)。
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアからの店舗送客も行う。
有楽町店の10周年キャンペーンとして、FacebookかTwitter経由で「無印良品といえば、○○」の○○にコメントを入れて投稿したユーザーに、有楽町店で使用できる10%オフのクーポンを配布した。17日間実施し、キャンペーン売り上げは約1000万円に達した。
全世界へO2Oを展開
12年、無印良品のO2Oは、世界へも進出する。
現在、無印良品は、日本を含め22の国と地域にある549店舗で、7500点以上の商品を展開している。12年7月6日~8月9日、旅行用の商品を扱う専門店「MUJI to GO」では、世界同時キャンペーンを実施する。「MUJI to GO」は国内だけではなく、世界の空港や国際ターミナルにも店舗がある。
奥谷氏は、「ネットを使うと国内だけではなく世界の方々とつながれる。7月は世界的にも旅行シーズン。MUJI to GOブランドを広く知ってもらいたい」と話す。今後は毎年開催する予定だ。
キャンペーンサイトでは、世界各国を巡るスゴロクゲームで、旅におすすめのMUJI to
GOの厳選50アイテムや無印良品の各国店舗の情報を紹介。旅をモチーフにしたスーツケースなどに貼るステッカーがもらえるクーポンが全世界先着50万人に当たる。世界各国の無印良品、MUJI to GOの店舗に行ってもらい、ステッカーと引き換える。大当たりとしては、日本へのスペシャルツアー、MUJI to GOアイテムを詰め合わせにしたスペシャルトランクセットをプレゼントする。Facebook・Twitter・mixi・Sina Weibo(新浪微博、中国の大手マイクロブログ)アカウントを持っていれば参加可能だ。