「男は仕事、女は家庭も」時代、離婚は加速する なぜ女の「爆発」は40代半ばにやってくるのか
ところで、広瀬弁護士は「男は仕事、女は家庭」という既存の価値観の影響を強く受けていることを自覚しているそうだ。
結婚後、一旦は仕事を辞め専業主婦となったが、夫や大学の先輩が弁護士だったこともあり、司法試験の勉強を開始。弁護士になったとき、子どもは5歳と0歳。弁護士登録は2001年のことだった。
「切り替えが難しい」からこそ、家事事件を専門に
キャリアのスタート時に、2児を抱えての生活は、さぞ大変だったはずだ。夫婦の実家が盛岡ということもあり、親の援助もほとんどなかった。それでも広瀬弁護士は「家事育児は『私がやらなければならない』と考えていました。当時は夫の仕事の機会を失わせてはならないと感じていた。今はそのような考えは全くありませんが……」と話す。
午前11時から午後3時まで、知り合いの弁護士事務所で『ノキ弁(他の弁護士の事務所を間借りする軒先弁護士』として活動。仕事を終えると、子どもを塾やテニススクールに通わせる、という生活を5年ほど続けた。夜は自宅で仕事をしたが、下の子どもの世話もあり、ままならなかった。
そして、「子どもが小さいと仕事と家の切り替えが非常に難しい。家事事件を取り扱っていると、自分の生活とトーンがそれほど変わらず、切り替えが楽になる」と気付いたこともあり、次第に家事事件に強みをもつ弁護士としてキャリアを重ねるようになった。2008年に独立して事務所を構え、今に至っている。
離婚案件では、知り合いの弁護士から難易度の高い案件もまわってくるという。「子育ての経験は結構忘れますよ」と笑うが、これまでの葛藤のすべてを仕事に活かしている頼もしさが、依頼人からの信頼を得ているのだろう。
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