「男は仕事、女は家庭も」時代、離婚は加速する なぜ女の「爆発」は40代半ばにやってくるのか
ところで、相手から「離婚したい」と言われたとき、何かできることはあるのだろうか?
「もう間に合わないことが多いと思います。例外はありますが、最終段階に入っていることが多いですから」
きっぱりと言い切った後、広瀬弁護士はこう続けた。
「ただ、それまでに相手からサインが出ているはずなのです。相手が悩んだり、苦しんでいる時、それを敏感にキャッチして軌道修正しなくてはならない。それが無理でも、相手が『離婚したい』と伝えてきた時に、真摯に向き合い話を聞く。そうすれば、修正の方向に持っていくことも絶対に無理とは言い切れません」
実際に、関係が修復されたケースが若干あるという。それは、離婚を突きつけられた側の夫が真摯に変わろうとしたケースだ。
相手の発するサインを見逃さないために
離婚を切り出された夫は、とりあえずすべて言われたとおりにした。妻に対する態度、子に対する態度、その全てを妻の要求どおりに受けいれ、その態度には真剣さが伴っていた。いったん離婚は回避されたが、その後の結果はまだ出ていない。
どちらか片方が、あるいは双方ともに不満を抱く関係を、「結婚」に縛られて継続することが100%正しいとは一概に言い切れない。かといって離婚は大きな損失を伴う。そもそも、離婚を切り出されないようにするには、どうすればいいのか。
「簡単なことの積み重ねが大切なだと思います。小さなことでも『ありがとう』と言ったり、月に1回は2人で出かけるとか。恋愛していた時期の甘いものを少しでも維持する努力をすること。
つまり、相手への関心を持ち続けることです。関心があれば、相手が発する『サイン』を見逃さずにすむ。熟年離婚に限らず、コミュニケーションが不足すれば、離婚の可能性は高くなっていきます」