「男は仕事、女は家庭も」時代、離婚は加速する なぜ女の「爆発」は40代半ばにやってくるのか

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ところで、厚生労働省の平成21年の調査によれば、離婚件数全体の約16%が同居期間20年以上のベテラン夫婦の離婚だ。この約40年間で増減はありながらも、昭和45年に比べ、約8倍も増えている計算だ。

実際、広瀬弁護士の元にも、結婚20年を超える40代半ばから50代半ばの男女からの相談が数多く寄せられている。熟年離婚と一言で言っても、中身はさまざまにあるが、ある特徴が見出せるという。

女性側から離婚を申し出るケースで目につくのが、冒頭の女性のように「家庭における男女間の不平等さ」に端を発するケースだ。「男は仕事、女は家庭」という発想で、妻が育児や介護も妻が負担し続けた結果、離婚に至ってしまうというのだ。

なぜ「爆発」は40代半ばにやってくる?

「私自身も、弁護士になる前には専業主婦として育児をしていた期間がありますし、『家のことは、女の仕事』という考え方は、身に覚えがあります。今の若い世代とは違い、現在40代半ば以上の世代の女性は、自覚しないまま抑圧される傾向があるのです。

ただ、積もり積もった我慢はいつか爆発します。それが離婚へと向かうのが熟年離婚の特徴だと思います。

女性の社会進出が進んだこと、離婚が社会的に認知され恥ずかしいという感覚がなくなったこと、年金分割が認められる等して専業主婦であっても最低限の経済的基盤が整うようになったこと等、女性の離婚を後押しする事情も相まって、女性はもはや我慢をしません」

では、「爆発するとき」が、なぜ40代半ば以降なのだろうか?

広瀬弁護士は「40代半ば以降、自分の『最後』がはっきりと見えるからではないか」と指摘する。一定の年齢に達し、配偶者やその親の介護が視野に入ってきたとき、「この人達の世話は無理」と思い至り、我慢の限界を超えることが多いようだ。

また、子どもが大学に進学するなど、手が離れるタイミングも、離婚に踏み切る契機になるという。

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