最近実践したショートカットといえば、茨城だ。
11月12日の東洋経済オンラインの栗原景さんの記事でも取り上げられていたローカル鉄道演劇「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」に作曲と出演で参加した。
この公演に際し、あるショートカットを実践する機会を得た。というか、無理やりこじ付けてやってみることにした。
最近ではもはや完乗のため効率的に云々…とかそういう大義名分はどうでもよくなり、ただ旅の意外性を楽しむためだけにルートを探し出して実践している。もはやショートカット趣味である。
11月6日、公演のリハーサルのためひたちなか海浜鉄道・那珂湊駅に10時半集合。通常なら常磐線で勝田駅まで行き、ひたちなか海浜鉄道に乗り換えて約15分で那珂湊駅に到着するのがまっとうなルートだ。
降りて歩いて出会う発見
上野駅から特急ときわ51号に乗り勝田駅の一つ手前、水戸駅で下車し鹿島臨海鉄道に乗り換える。地図を見ると、那珂川に沿って北岸をひたちなか海浜鉄道、南岸を鹿島臨海鉄道がほぼ並行して走っている。田園地帯を高架でまっすぐ走る鹿島臨海鉄道は見晴らしがよく気持ちがいい。
2駅目の常澄駅で下車。無人駅なので駅員さんに切符を渡して改札を済ませ、駅の階段を下りる。
交差する国道245号を道なりに歩いて那珂川を渡り、右に折れると那珂湊駅前だ。ギター2本担いで40分徒歩の道のりは少しこたえたが、道に迷うことなく10時頃には到着した。途中気になる恐竜のオブジェに囲まれた店があった。大丸屋というほしいも店。そうだ、茨城はほしいもが名産だった!
近隣の橋の名前を調べていると、思いがけなく「水浜電車」という言葉が探しあたる。昭和初期に水戸から大洗を経て那珂湊の街まで線路を伸ばしていた茨城交通水浜線という路面電車が存在していたとのこと。時間があれば寄り道して廃線の痕跡をたどる旅もいいなと思った。
こういう気づきは、ただ一途に列車に乗っているのでは出会うことができない。意外な駅で降りて歩いてみることで見えてくる、その土地で暮らす方々の生活や歴史の断片。知れば知るほど面白い。
……などという言い訳を用意して、またどこかの街のショートカット・ルートを探しては出かけてみようと企んでいる。
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