【キーマンズ・インタビュー】「人材力日本一」を標榜する経営戦略の背景と施策--松居隆・損保ジャパン取締役常務執行役員に聞く
転居先の当社部署にポストがあり、本人の活躍が期待できる場合は、転居先の部署で継続して働くことができる仕組みだ。導入当初の2006年度の利用者は30名だったが、2011年度は77人が利用した。
--グローバル人材の育成についてお聞かせください。
損保ジャパンは28カ国に海外拠点を設けており、今後も海外事業を拡大していく。その海外展開に必要なのが、異文化・他国籍の人材と協業できる「グローバル人材」だ。グローバルに活躍するために重要なのはコミュニケーション力とダイバーシティ意識だ。
グローバル人材の育成のために行っているのが、海外企業で実際の仕事を通じて国際業務を学ぶ「海外トレイニー制度」だ。毎年20代後半から30代前半までの社員を公募し、欧州やアジアに約1カ月間派遣している。海外トレイニー制度がスタートした2008年からの累計で35人がこの制度で国際業務を経験しており、帰国後は国際業務に就くことが多い。
また、社内をグローバル化していくために、社員の語学力学習成果を表彰する「英語力レベルアップコンテスト」を2010年度から実施している。各部署でコンテストにエントリーするチームを結成し、その時点でのメンバーのTOEICスコアを申告する。そして半年後に再度TOEICテストを受け、前と後のアップ分をメンバー平均で出し、上位のチームは全社で発表するとともに、記念品を贈呈している。なかには平均140点もスコアが上がったグループもある。
この制度をスタートした時、応募者が集まらないのではないかと危惧したが、2011年度は150職場、1000人が応募した。案ずるよりも社内のグローバル意識は高かったわけだ。
松居 隆
取締役常務執行役員。1980年4月安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)入社、以後中国サービスセンター部長、サービスセンター企画部長、神戸支店長、2010年執行役員人事部長、2012年取締役常務執行役員。
(聞き手:HR総合調査研究所(HRプロ) ライター:佃光博 =東洋経済HRオンライン)
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