電炉中堅の朝日工業が新規事業、農産物などのインターネット販売サイト「ベジガーデン」をオープン
国内電炉中堅の朝日工業は、6月18日、新規事業である農産物のインターネット販売サイト「ベジガーデン」をオープンした。野菜、果物など安心、安全な契約農家直送の商品を提供していく。
ベジガーデンは、今中期経営計画の目玉として昨年4月発足した若手社員中心の新規事業開発チームから提案され、今年2月に決定された2つの新規事業のうちの1つ。もう1つの放射能測定サービスは昨年11月以降に東北、関東でサービスを開始していたが、ベジガーデンは、それまでの種苗・肥料などの自社製品販売サイトを全面リニューアルし、この18日にオープンしたものだ。スタート時の契約農家数は40。野菜農家、果物農家中心にお米農家、お茶農家、たまご農家などから、こだわりの農産物を選んだという。生産農家は全国に広がるが、九州など西日本がやや多いようだ。
朝日工業は、電炉による鉄鋼事業が売り上げの66%を占めるものの、ここ数年は農業資材事業の利益貢献が顕著になっている。特に同社の強みが有機肥料。その販売先は、有機農法を行うこだわりの農家が多く、今回はそのネットワークも活用できた。また、種苗部門も伸びており、同社の販売するトマト「アニモ」は、国内の最大産地である熊本で過半を奪う勢いがある。ベジガーデンでは、こうした農家向けの肥料や種苗も販売する。
出足から人気を集めているのが、与論島産のマンゴー。完熟取りにこだわり、販売期間は7~8月に限定されるため、予約販売となる。自社での放射性物質検査体制も奏功したのか、リーズナブルな価格設定の関東産の野菜セットも人気上位に来ている。生産地の場所の明記、生産者の顔の見えるページづくりにはこだわったという。原発事故の風評被害が続く中、西日本産の農産物にこだわるユーザーも少なくなさそうだ。
ベジガーデン事業自体の収益貢献はすぐには期待できないものの、有機肥料や種苗の販路開拓にはつながりそう。今後は、商品点数の拡大、ページの更新頻度の向上などが求められるところだ。
(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)
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