ソフトバンクの株主総会開催、孫社長「日本一稼ぐ企業になる」
ソフトバンクは6月22日、東京都内で株主総会を開いた。孫正義社長は1時間以上にわたり独演。創業時の会社ロゴの紹介に始まり、ブロードバンドへの進出、ボーダフォン買収などこれまでの事業の略歴を説明、成長戦略についても語った。
ボーダフォン買収により2兆円を超えていた有利子負債が、2011年度末には0.5兆円まで縮小したソフトバンク。「携帯事業に参入したときには、すでに成熟産業なのにわけがわからないと言われたが、V字回復して11年度には7期連続の(営業利益での)最高益更新を達成した」と総会では終始、好調さをアピールした。
成長戦略については、スマートフォンの普及などを軸に16年度には営業利益1兆円を目指すとしており「現在、営業利益で1兆円を超える企業はNTTグループだけ。今後は営業利益を1兆、2兆と数えられるような規模に成長したい」と語った。
株主からの質疑応答の場面では孫社長を応援する言葉が多く、株価低迷への厳しい批判が中心だったNTTドコモの株主総会(6月19日開催)とは対照的な雰囲気だった。
22日付で退任する井上雅博取締役(ヤフー前社長)が「孫社長とは長い期間を共に過ごした。特に『Yahoo!BB』ではNTTに独占されたデータ通信に参入し、日本を世界一のインターネット環境につくりあげることができた。ヤフーの次の成長は若い世代に託す」と挨拶して総会は終わった。
総会の出席者は2039人。剰余金の処分の議案は可決され2時間37分で終了した。
主な質問内容は以下の通り(回答者はすべて孫社長)。
Q:長期的な経営戦略である「新30年ビジョン(世界トップ10企業入り、時価総額200兆円目標)」について、この2年間で事業をとりまく環境も大きく変わったがどのような感触をもっているか。
まだまだ大ボラの段階だ。実現の時には私はこの世にはいない。だが、現役でソフトバンクを引っ張る60代は、後継者も育てながら言い訳なしに達成に向けて進めていく。
Q:海外での投資について教えて欲しい。
中国で投資した企業の業績はうなぎ登りになっている。インドも続々とインターネット会社が誕生している。今後もいろいろなチャンスを見極めながら着実にやっていく。
Q:「東アジアスーパーグリッド構想(日本と東アジア各国を海底ケーブルでつなぎ電力を融通しあう計画)」実現の真剣度はどの程度なのか。
まだ事業計画はたっていないが、一緒にかつごうという大企業がいくつか名乗りをあげてくれそうだ。また、各国の政府と志をわかちあうことで実現していきたい。
(麻田 真衣 =東洋経済オンライン)
※写真は5月25日の新製品発表会、撮影:今井康一
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