パイナップルはスゴい遺伝子を持っていた! 単なる南国生まれの甘いフルーツではない

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世界中の人々がパイナップルをスライスやぶつ切り、ジュース、ピニャコラーダ、ハワイアンピザなどで楽しんでいるが、ついにその遺伝子の秘密が明らかになった。

科学者グループがパイナップルのゲノムを解析したと発表した。乾燥地帯でも育つ作物を作るという可能性に向けた重要な一歩となった。

パイナップルは、C3というタイプの光合成を行うほとんどの植物とは異なり、ベンケイソウ型有機酸代謝 (CAM) というタイプの光合成を行って、光エネルギーを化学エネルギーに変えている。

「CAM植物は非常に乾燥した地域にも適応できる。水消費の効率性が非常に高いからだ。CAM植物はC3植物の水消費量の20%しか水を消費しない」と、テキサスA&M大学のキンジー・ユー・植物分子生物学教授は話す。これが、科学者たちがパイナップルの遺伝子構造を研究してきた理由だ。

このフルーツの光合成遺伝子は体内時計遺伝子により制御されている。これにより植物は昼と夜を区別し、適切に代謝を変化させることができる。

CAM光合成を行う植物は日中は気孔を閉じ、水分を保持する。

研究グループはパイナップルが、CAMを採用するようになった進化プロセスを解明し、それを再設計してほかの植物に適応させたいと思っている。

「私たちの発見は、C3をCAM光合成に変更させ、水消費の効率性をより高めることが可能であることを裏付けるものだ」(テキサスA&M大学のキンジー・ユー・植物分子生物学教授)。

人口増加と地球温暖化が差し迫っているが、偉大なパイナップルの遺伝子の秘密が、今後私たちがこれらの困難に取り組む上で役に立つかもしれない。

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