――地下街のイメージが強かった池袋が大きく生まれ変わりますね。一方で、リニア新幹線の発着駅となる品川の再開発も気になります。
当社は13ha(ヘクタール)もある非常に広大な土地を有しています。ただ、足元はホテルの需要が高まっていまして、2020年の東京オリンピックに向けて宿泊需要が盛り上がっている中では、当面はホテルを軸に伸ばしていく。
その後にどうするかというのは私どもの成長戦略だけではなく、街づくり全体をどうするかという視点も重要です。ご存知の通り、リニアができると品川は東京の玄関口になります。そういった観点で有効な活用ができればと思っております。
――品川を拠点にする京浜急行電鉄との関係はいかがでしょう。
品川駅前には京急さんの運営する「ウイング」があり、その隣にプリンスホテルがあります。いい開発をするためには、お隣さんとしていろんなお話し合いはしていかなければならないですね。
――京急とは「心の相互直通運転」といって、「レッドラッキートレイン」を2014年7月から走らせていますね。残念ながらまだ乗ったことがないのですが。
いやいや、私は京急さんに乗ったときに、あの黄色い電車(イエローハッピートレイン)を見つけるほうがより難しいとは思うんですけど(笑)。
――いずれも1日当たり一編成ずつなので難易度は高いですよね(笑)。けれども、西武と京急という決して交わらない路線が、このような取り組みをしたきっかけは何だったのですか?
鉄道会社同士でいろいろな情報交換する場もありますので。そういった中で自然発生的に起きたのだと聞いています。「こういう企画(黄色が基調の西武と赤色が基調な京急が基調色を交換して1日1本ずつ運行する)があったら面白いね」って、それが本当に実現しちゃった形です。
お客様の反応もいいですよ。まあ、好きでもない人から見たら、「単に色を変えただけじゃないか」と思うかもしれませんけれどもね(笑)。でも実際には、それを超えるインパクトがやっぱりあると思います。
観光列車は一つを上の付加価値を
――観光列車が来年の春に走り出しますね。どの程度の収益を見込んでいらっしゃるのですか。
1つのプロジェクトで、そんなに儲けられるわけではありません。観光列車以外にもいろいろなイベント列車を走らせていますが、多様な企画を新しい発想で、それも切れ目なく続けていくことで、「西武は面白い、行ってみたい」と思っていただけるのではないかと考えています。とにかく話題づくりは大事ですから。
そんな中で観光列車というのは、ワンランク上の付加価値を付けたサービスを提供できます。秩父や川越をもっと知っていただくことを通じて、西武鉄道を使ってもらうきっかけになればいいなと考えています。
――4000系車両がどのように生まれ変わるのかも楽しみです。また、通勤路線を活用するという意味ではそのダイヤもどうなるか期待が膨らみます(笑)。
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