「スター・ウォーズ特急」がグッと来る理由

漆黒の特急「ラピート」がベールを脱いだ!

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車両の側面にはお馴染みのキャラクターが描かれている(撮影:今井康一)

しかし、「ラピートがダース・ベイダーに似ていると言われていることと、今回のラッピング化は関係ない」と南海の担当者は素っ気ない。

黒はダース・ベイダーの色ではなく、「スターフィールド」、つまり宇宙を表したものだという。そもそも、スター・ウォーズの最新作にダース・ベイダーは登場しない。

ラピートがスター・ウォーズとタイアップした理由は、「関西空港を通じて世界につながる特急ラピートのイメージが“旅立ち”、“冒険”というスター・ウォーズの世界観と共通する」からだという。

インバウンド需要の取り組み拡大を経営戦略に掲げる南海にとって、世界中にファンがいるスター・ウォーズとのコラボレーションは、まさに打ってつけともいえる。関空へのアクセス特急は、南海とJR西日本が激しくシェア争いを演じている。現在はJR西日本が一歩リードしているが、スター・ウォーズ号で注目度が高まれば、ラピートの利用者が大きく増える可能性もある。

デザイナーはどう評価するのか

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車内もスター・ウォーズ一色だ(撮影:今井康一)

そうはいっても、黒いラピートがダース・ベイダーに似ているかどうかはファンが決めることだ。この外観を見れば、ファンの間で自然発生的に盛り上がるのは間違いないだろう。

「黒いラピートを早く見てみたい」――。ラピートをデザインした建築家の若林広幸氏も、そう心を躍らせている1人だ。そもそも、若林氏が当初イメージしていたラピートの色は、現在のようなブルーではなかった。思い描いていたのは、タスマニアンブラウン。限りなく黒に近い茶色である。

若林氏が南海から最初にラピートのデザインの依頼を受けたとき、まずイメージしたのは、子供のころに見た大陸横断機関車や弾丸列車のイラストだった。「メタリックでくろがねの鉄の塊に力強いダイナミズムを感じた。機関車の黒い鉄のイメージを出したかった」と、若林氏は言う。

完成したデザインを元に、南海から色を3つ提案してほしいと言われた。若林氏のイメージしたタスマニアンブラウン、南海のイメージカラーであるグリーン、そして関空の空と海をイメージしたブルーを候補に挙げた。

南海の経営陣は即座に「ブルーでいこう!」と決めた。若林氏もブルーはラピートに似合っていると考えた。それから20年間、ラピートはブルーの車体で走り続けた。ところが今回、若林氏が当初思い描いていたイメージに近い色のラピートが走る。若林氏が心を躍らせるのも無理はない。

次ページ実は他の色の「ラピート」もあった
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