「スター・ウォーズ特急」がグッと来る理由 漆黒の特急「ラピート」がベールを脱いだ!

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ラピートがダース・ベイダーに似ていると言われていることを、若林氏は当然承知している。特にダース・ベイダーを念頭に置いてデザインしたわけではない。だが、両者の関連性については、「ダース・ベイダーのマスクの造型は日本の兜をイメージしている。兜の黒光りした感じは、確かに弾丸列車の先頭形状と共通点がある」(若林氏)。

過去には赤やピンクのラピートもあった

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昨年、期間限定で運行した「シャア専用ラピート」

昨年4月26日から6月30日までの間、赤く塗られたラピートが走っていたことを覚えている人も多いだろう。「機動戦士ガンダムUC」とタイアップした、「赤い彗星の再来 特急ラピート ネオ・ジオンバージョン」号である。

昨年はラピート運行20周年。記念企画として1編成を赤く塗り替える構想があった。そこへ南海の社員が、「赤ならばガンダム」と提案したのが発端だ。

なぜ、赤ならばガンダムなのかというと、同シリーズの主要キャラクター「シャア・アズナブル」や「フル・フロンタル」のイメージカラーが赤であるためだ。ラピートの先頭形状が「シャアが搭乗するモビルスーツ(人型兵器)に似ている」と、これまたファンの間で話題になっていた。この理由も無関係ではあるまい。

若林氏は、赤く塗るという話を最初に聞いたとき、あまり気乗りしなかった。が、実際に赤く塗られた車両を目の当たりにして、「これもありだ」と思ったそうだ。

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ピーチカラーの「ラピート」

黒や赤だけではない。ラピートは昨年9月7日から今年8月31日まで、格安航空会社ピーチ・アビエーションとのコラボレーションで、ピーチの機体色である白とピンクに塗装した「Peach × ラピート ハッピーライナー」として走っていた。

今回のスター・ウォーズ号は、このハッピーライナーのラッピングを変えたものだ。当初は「力強いデザインのラピートに飛行機の白やピンクが似合うのか」と懸念されたが、実際に姿を現すと、これまたファンの間で大人気だった。「同じ自動車でもたくさんの色があるように、ラピートにもいろいろな色があってよい」。若林氏はあらためてそう感じている。

スター・ウォーズのキャンペーン期間が終了すると、ラッピングは剥がされ、元のブルーに戻される。しかし、スター・ウォーズ号の走行シーンがYouTubeなどで配信されれば、世界中からファンがひと目見ようとやってくるのは確実だ。だとしたら、キャンペーン終了後は黒いラピートとして残しておくということも検討の余地はある。大阪の新たな観光資源になるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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