キムタク主演『教場 Requiem』をガチレビュー 「ラストは物議を醸す?」「感涙の一方、消化不良感も」…

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『教場』が特徴的なのは、警察学校という閉塞空間の極限状態で、教官に反抗する生徒、取り入ろうとする生徒、気が弱く倒れてしまう生徒などのさまざまな思惑が渦巻く、犯罪サスペンス要素が強い人間ドラマになっていることだ。

同時にそこには、生徒それぞれのエピソードにおいて、若者特有の葛藤を教官が受け止めつつ、激しくぶつかり合いもする、青春学園ドラマの側面が色濃くある。

そのふたつが絶妙なバランスで調和していることが、映画版後編のラストで感じられる。そこには、学園ドラマ定番の熱い感動がある。その過程に、警察学校という特殊な環境で起こる出来事があるからこそ、それを乗り越えた生徒たちの晴れ姿は、観客の感情をより揺さぶる。

涙なしには観られないであろうそのシーンからは、『教場』シリーズが紛れもない学園ドラマの系譜であることを強く思わせられる。それ特有の若者たちの努力と汗と涙があり、成長がある。

昨今のドラマシーンでは、若手や新人俳優が数多く出演する学園ドラマが少なくなっているなか、『教場』シリーズは、そこから人気を得て飛躍していく若手を輩出する役割を担う学園ドラマとしても機能している。

映画版2部作に集結した過去の卒業生たちの顔ぶれは、ここから多くのスターが生まれていることを示している。

ラストは物議を醸すかもしれない

木村拓哉
今回の映画版2部作では、風間公親が内面に抱くさまざまな思いがこれまでのシリーズ以上に伝わってくる(写真:映画「教場 Requiem」2月20日(金)公開 in THEATERS ©フジテレビジョン ©長岡弘樹/小学館)

ただ、気になったこともある。映画版の涙のラストシーンの後の締めくくりは、物議を醸すかもしれない。

この物語には裏の裏がある。あらゆることを見通し、何事に置いても完璧である風間でさえ、ひとりの人間であることに思い至らせられる。そこには、ひとりの生身の人間である風間の姿があった。

映画版後編のタイトルは、ミスリードなのだろうか。ラストシーンから終幕までのわずか数分で、それまでとは180度異なる感情に襲われる。

この物語はどこへ向かうのか。『教場』シリーズのすごみを痛感させられる作品だ。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Yasuyuki Takei

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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