KDDIが決算を出せなくなった理由。ビッグローブ子会社で膨張した架空取引とグループファイナンスが支えた資金還流
外部流出先の実態も明らかになっていない。松田社長は上流と下流の代理店について「複数社が関与している」「いわゆる大手の広告代理店ではない」と述べるにとどめた。反社会的勢力の関与の有無を問われると「特別調査委員会で検証する。今の時点では何とも言えない」と回答した。
2名の社員の動機についても「調査に差し支えがある」として回答を避けた。2名は現在もジー・プランに在籍し、調査に協力しているという。記者からは詐欺罪や有印私文書偽造の可能性を指摘する質問も出たが、松田社長は「認識はしている」としたうえで、警察への相談はまだ行っていないと明かした。「調査の進捗に応じて速やかに対応したい」としている。
本業は堅調、しかし信頼回復の道筋は見えず
KDDIは同日、架空取引の影響を反映した第3四半期の業績を「参考値」として開示した。売上高は前年同期比3.8%増の4兆4718億円、営業利益は同2.0%増の8713億円と、本業は堅調に推移している。モバイル収入は前年同期比で299億円増加し、ARPU(1契約当たりの月間収入)もプラス190円と改善が続く。
金融事業はクレジットカードが牽引して営業利益が前年同期比30.5%増、ビジネスセグメントも第3四半期単独でプラス7.7%と持ち直した。
ただし、これらはあくまで参考値であり、特別調査委員会の調査結果や会計監査人の監査によって修正される可能性がある。
松田社長は「公明正大にガラス張りの中で仕事を進められる仕組みづくりをしなければならない」と述べ、グループガバナンスの見直しと再発防止策の検討を進める方針を示した。
しかし、2名の社員による架空取引がなぜ7年以上にわたって見過ごされたのか、グループファイナンスの管理体制に問題はなかったのか、外部流出した330億円の回収見通しはどうか。3月末の調査報告書で、これらの疑問に対する明確な回答が求められる。
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